ハツカレ。



鞄をぎゅっと握り
歩きだした。

たくさんの生徒達が歩いている。
みんなもあたしと同じ気持ちなのかな?
そんなことを考えていると

「あの、落ちましたよ。」
後ろから声がする。
くるりと振り向くと、そこには
キラキラしたオーラをまとう男子が立っていた。

これが正統派イケメンというやつか。
と、しばらく見とれていると、

「あのー聞こえてますか?」
ともう一度声をかけられる。

「は、は、はいっっ!!!」

馬鹿だあたし。
なんで声裏返ってるの。

「クスっ」
いま、笑った?

「あ、ごめんね!はいこれ!」

と言って渡されたハンカチ。
「え、ぁ、あの…ありがとうございます!」

と言って逃げ出してしまった。