「ねぇ、宙? 今から言うこと、約束してくれたら教室に戻るから、聞いて?」


「分かった。約束って、何?」





「もう、あたしに隠し事はしない」


それは、予想外の言葉だった。


「約束…してくれる?」


不安そうに、聞いてくる未菓。

そんな未菓を見て私は、


「うんッ!!」


と、満面の笑みで返事をしていた。


そんな私がおかしかったのか、未菓はぷっ、と吹き出した。


「ちょっ、何がおかしいのッ」

「いや? 何でもないしー。ホラ、教室戻るんでしょ」


と言いながら未菓は、上から飛び降りた。


そして、「行くよッ」と言って、屋上を飛び出して、階段を駆け下りた。


「ちょッ走んないでッ、私もうそんなに体力ないんだからぁーッッ」


そんな叫び声が、学校中に響き渡った。