「そっか。そこまで気付いてたんだ」


「何、気付いてないと思ってたの?」


「ううん。ちょっとびっくりしただけ。やっぱり未菓には隠し事できないなー、って思ってさ」


「当たり前でしょ?」


そうだね。

…いつもそうだった。

昔から、未菓にだけは隠し事は出来なかった。

未菓が、すぐ気付いちゃうから。

それから、私はずっと未菓には、隠し事はしてこなかった。

だから、久々だったんだ。

未菓に隠し事をするのが。

昔と違って、私も未菓もちょっとは大人になって。

だから、隠し事をしても、バレない、って思っちゃったんだ。


「…バカだね、私。」

「ホント、宙はバカだよ」

ふっ、と未菓が笑って、振り返る。


「未菓…」