最近では
個々の活動を頻繁に行うようになった彼ら。


メンバーそれぞれ才能を発揮し
自身のファッションブランドを
立ち上げたり

他のアーティストと
コラボレーションしたり

新人バンドをプロデュースしたり

――ソロアルバムを出したり……。


先月リリースされたばかりの
ユウキのソロアルバムは
もちろんオリコン初登場1位。

それから4週たった今でも
その位置は変わらず
売り上げは早くも400万枚突破

もはやどれだけ売れるのか
予測不能な状態だ。


ネット上の音楽配信などの影響により
“CDは売れない”と
言われてる今の風潮も
奴の前では何の関係もないらしい。


――実はこれは俺の勝手な予測だけど
アキが東京行きを決めたのは
ユウキのこの活躍に
影響を受けたからじゃないかって。

……イヤ、正しくは
焦りって言った方がいいのかも。


ヤツと広がる距離の焦り。
追いつけないかもと畏怖する焦り。


――え?
そんな事考えるなんて
アキはユウキのファンなのかって?


そんな簡単な言葉で
あいつらの関係を形容できるなら

アキはとっくに俺のものに
なってるはずだろう。



実はDown Setの地元は俺らの地元と同じ。

こんな場所で
あんなビッグスターが生まれたなんて
信じられない事なんだけど

更にありえねぇのが
奴らがここで
インディーズ活動を行ってた時
アキと何でか知り合いだったらしい。


そしてアニキの死で
落ち込んでたアキを救ったのはユウキ。

アキはあいつが好きで
あいつもアキが好き。


それでも二人が選んだのは別れだった。


『いつかユウキと同じ位置に行くまで
自分の想いは封印する』
っていうアキの“覚悟と約束”と共に。