それからの俺の対応といえば
正門前で待ち伏せてた女には走って逃げ

下駄箱に勝手に突っ込まれてた物は
そのまま隣の棚に移動させ
呼び出し関係は全てシカトを貫いた。


つかさ、女子の皆さん彼女いるって男に
(まぁ実際には違うけど)
何のつもりでチョコレートとか
あげようと思うんかな。


自己満足の為?
思い出作り?
暇つぶし?


どれにしたって
めんどくせーのは全部パスだ。

ただでさえ今日の俺は
いつにもまして余裕がない。


最低最悪のクソ男って思われても
いっこうに構わないし
むしろそっちの方が都合がいい。

どうでもいい女のアフターフォローまで
いちいち気にしてられっかよ。


……まぁそれでも
めげない女はいるもので、

昼休みに自分の教室で
クラスの奴らと飯食ってる時に
わざわざ俺の席まで押しかけて来た
元クラスメイト二人。


去年同じクラスだった時は
もしかして数回
遊び行った事があったかもしれない。

でも確実やってないけど
何なんだこの馴れ馴れしさは。


「……えー何でよリョウ
いいじゃん受け取ってくれるぐらい」

「そうだよ〜
去年はあんなに仲よくしてくれたのに
超つれない!」


そんな誤解を招くような
言い方はやめてくれ。
つかひっつくなよ、うざってえっ!


勝手にからみつこうとする
こいつらの腕を避けながら
勘弁しろよと拒絶する。


「だからいらねーって言ってんじゃん。
どうせ貰っても捨てるだけだし」

「それでもいーよ!
だからほら、受け取って」

「は?そんなの意味ねーじゃん」

「意味ならあるよ。
だってリョウ
誰のチョコもまだ受け取ってないって
みんな言ってるし、ネェ?」

「そうそう」


なんて二人目を合わせて
ニヤニヤと企み顔をして。


……はーん、そういうことかよ。
お前らただ単に他を出し抜いたって
優越感に浸りたいだけじゃん。