……は?
テメエ、今なんつった。


と俺が思ったのは先ずコレで、
すぐに理性が吹っ飛んだのがわかった。


眉を潜めたと同時に低い声で呼ぶ。


「オイ」


だけど返事はなくて
更に口調を強めて言う。


「……オイ、お前!」


するとシンはけだるそうに首をを動かし
やっと俺の姿をその中に捕らえた。


――まるで煩い蝿を眺めるみたいに
冷徹で冷酷なライトブラウンの瞳。


睨み合うように視線を交差させて
するとシンは人を嘲けったように
軽く息を吐き口元を歪ませて笑った。


「……んだよ、うるせーな。
ってあぁごめん
これもしかしてお前の?
だったらくれよ、俺に」

「……!」


……な、ん……
まるでアキを物かなんかみてーに。


一気に頭の中が真っ赤になって
接触不良の如くスパークした。


……俺が覚えてるのはここまでで、
後は――


勢いよく持ち上げた拳と
悲鳴みたいに俺の名前を読んだアキの声が
耳鳴りみたいに鼓膜を震わせてた――。