「あー、遊びたいっ。」


暖かい春から暑い夏に変わろうとしている初夏。

真っ青な空にリコの声が響いた。



「うん、遊びたいねー。」

「杏実、棒読みやめてよ……」


しゅんとなるリコに笑うと頬を膨らました。


「きゃーっ!!」


「っ、また!?」
「もぅ、びっくりしたぁ!!」


突然聞こえた女の子の悲鳴。
…というか、歓声?



訝しげに廊下を見ると、そこには2つの影。


「神影くーんっ!」
「ハル、おはよー♪」


……どうやら王子たちのご登校らしい。


「蘭、毎回うるさい!」

女の子たちを適当にかわしながらやってきた春川くんに、リコが文句を言う。

「俺!?そんなん、あの人らに言うてや。」

びしっと、群がるように集まっている女の子たちを指さす春川くん。


「リコは、焼きもち妬いてるんだよねー?」


「は?焼きもち??」

「ち、違う!!杏実ぃ!?」


焦ってる焦ってる(笑)

最近気づいたこと。
リコは明らかに春川くんのことが好きだということ。


好きなら素直になれば良いものを、リコは春川くんの前だけツンツンしている。

逆だよ!!
って、ツッコンでしまいたい。