「それじゃ、はりきっていこぉー!」


放課後。
腰に手を当ててやる気オーラを出しまくっているのは、リコ。


「…はーい。」


「ちょっと、杏実!今から勝負の時間が始まるんだよ!もっとはりきっ」


「バスケ部、入りませんかー?」


「杏実ぃーっ……泣」



リコを軽くスルーして、前に通りかかった一年生を呼び止める。




「だいたい、去年優勝したんだから勧誘なんかしなくても……」



はぁ、とため息をつく。

そんなあんにリコは不服らしい。


「分かってないなぁ、杏実ちゃんはっ!そぉやって油断してると、今年は誰も入らないってゆう事態にっ」




「すいませんっ。バスケ部って…」



「体験なら今体育館でやってるよ!」



「ありがとうございますっ!」



嬉しそうに走っていく男の子たち。

ざっと10人はいた、かな?



「ほら、勧誘しなくていいじゃん。」



あっちからくるんだもん。
あんたち完全に必要ないよね。




「う〜…で、でも部長に頼まれてるんだし、あと10分だけ勧誘しよう!」



「…やるんだね。」



そんなあんたちの周りでは、陸上部が走ってたり、ブラスバンドが曲を弾いてたり。


何もしないまま、ぼけっと突っ立ってるあんたちは完全に浮いてる。



「あ、あと5分しかない!」


「バスケ部、入りませんかー?」



それからの5分間は、二人とも声を出して頑張った。


結果は、5人勧誘できたから、まぁ良しとします…。