「か、馨君、ごめんよ。愚民であるあたしがこの

ような物質けな真似をして膝をついて謝ろう。」

「そんなことしなくていいから。」

ポタリと垂れそうな鼻血をティッシュで拭き取って、

まさに介護されてる若しくは子守りをされてる感。

「あの、マッチョサンダーボルトは何処へ?」

「ナルが殴り飛ばしてどっか消えたぞ。」

ユウヤ、それは本当か!?

「な、ナル君に拳を震わせてしまうとは・・・」

「ヒヨリン、敵取ったからな。」

「ナル君、そんなことしなくていいのに。

お手々、痛くなかった?」

「へへっ、これぐらい平気だ!」

「ナル君、イケメンだよ!」

「おうっ!頼もしい男になるからな。」

「Go Go ナル君!カッコイイぞ、カッコイイぞ、ナル君!」

「て、照れるからヒヨリン!!」

顔を真っ赤に染めるナル君は可愛く笑ってる。

「つーか、どうなってんだよ。」

「慶詩、深い事情があるのだよ。」

「さっさと話しやがれ!」

ゴチャゴチャと煩いから移動がてら、

ナビゲーター日和の説明でドバーンと20分の演説をした。

「オメェー、女辞めろ。」

慶詩の馬鹿め!

「だから、顔面に本の痕があったのか。」

ちぃ君、それは知らんぞ?

「いたいけな女の子に乙女を辞めろと辞職は

しない所存でいますからに!」

「ヒヨリン、そんなこと思ってたのか?」

「可愛いナル君のお手々をへし折ろうとした

罰が祟ったというわけですよ。」

「俺、ヒヨリン守れるような男になる!」

「いや、ナル君、あたしが君を守る女になるから。」

それに、最後は逃亡しただけだったし。

「日和ちゃん、緊張してる?」

「えっ!?・・・・実はそのええ。とってもしてます。

如何に軽くなるかと全神経を起こしてます。」

馨君、抱っこだよ?

顔近いのだから、緊張しないわけがない。

普通の女の子ならもう撃沈してただろうよ。

「十分軽いから気にしないで。」

「き、き、気になるよっ!一端のレディーも

時には可憐にときめくものなのよ。」

「えっ?」

「踏ん張りどころなのだ!防壁の補強工事を

開始中だからハートにブロック塀を・・・」

グラッと視界が揺れてグッと力を入れて、

馨君の首にしがみついた。