次の日の放課後は予定通りケーキ屋さんに

見学をしてバイトします宣言をしてきた。

人手不足なこの時期には有難い助っ人だった

らしくて明後日からよろしくと言われた。

あまり遅くならないように20時までの

シフトを組んでくれた。

休みの日とクリスマスイブイブ等の日を

避けたクリスマス前の2週間程の短期バイトだ。

ダディやマミーにも一応報告して、

兄ちゃんにも言っておいた。

ダディもマミーも応援してくれて、

帰りはダディが迎えに行くからと張り切っていた。

兄ちゃんは涙ぐみながらひーちゃんが

お嫁に行くような気分だよと訳の分からん

ことを口走っていた。

そして、不良メンバーズには言うべきか

迷っている内に放課後がやってきた。

「ヒヨリン、最近ソフト買ってよう。

これ、やろうぜ!」

「うん、待って、いい曲面だから。」

もっくんと将棋を楽しんでしまっていた。

はて、話しておくべきなんだろうか?

しかし、明日から放課後は直行で

バイトに行かなきゃいけなくなるし、

こう遊べるのは今日ぐらいになってしまうわけで、

クリスマスイブイブの催し物の相談など

しておくべきことは多そうでどうしたものか。

「おい、野郎ども!今日は遊んでる場合じゃねーぞ。」

高らかに慶詩のアホらしい声が聞こえてきた。

「そーだ!そーだ!」

ユウヤも若干入ってきて益々集中が途切れる。

「ひーちゃん?」

「参りました、もっくん腕上げてるね。」

負けてしまったものの、もっくんとは

楽しい将棋が出来て満足だった。

「ひーちゃんが強いから。」

「そんなことないよ、何やら始まる予感だね。」

「あ、うん、毎年恒例になってるから、

今から騒ぎ出すよ多分・・・・」

もっくんが将棋のコマを片付け出すや否や

誰かが口笛吹き出したりタンバリンやマラカス

で大騒ぎし始めてギョッと目を見張った。