着替え終わって小さい鞄を背負えば
ゆっくり階段を下りる。
下りてリビングを見ると
ヒナはテレビを見ながらくつろいでいて
僕を見るなり笑って立ち上がった。
「遅かったねー弥生ちゃん。
俺のためにオシャレしてくれたのかな?」
「んな訳ないでしょ。行かないの?買い物」
目を逸らして、そう言う僕は
きっと後輩として生意気だと思う。
「行くよ。初めての弥生ちゃんとのお出かけだからね」
そして、僕たちは家を出た。
きっとヒナ以外の先輩には
こんな態度とらない。
もっとにこにこ笑っていられる。
なのに
「弥生ちゃん」
「……?」
「…好き」
なのに、なんでヒナの前だと、うまく笑えないのかな……

