結局は、こうなる。
いつもヒナのペースに呑まれるんだ。
「ん。わかったー♪
早く戻ってきてね、弥生ちゃんっ」
ちゅっと音をたてて
またキスされて、ヒナの腹を殴って猛スピードで二階へ駆け上がった。
また。人の気持ちも考えないで。
軽い気持ちでヒナは、僕に触れる。
自室のドアを閉めて
少しオシャレな服装に着替える。
相手はヒナだから。
ヒナは女の子の憧れでキラキラしてて……そんなヒナと、歩くんだ。
ヒナの後輩として、見合うようになりたい。
そう、強く思うのは
きっと今朝みた夢のせいだ。
あんな憧れていた綺麗な思い出を思い出したらそう思ってしまう。
だから
まだ…4年前の初恋が忘れられない、わけじゃない。
もう好きじゃない。
目を強く閉じて、開いた時には
夢のことも、思い出の数々も、小さな僕の心臓に固く閉じ込めた。

