「…離してよ」
「だめ。離したら逃げるでしょ。
だから、俺が着替えさせてやろっかなーてな」
うわ、この人マジだ。
僕のパジャマのボタンに手をかける。
やだ。
どうせ着替えるなら一人で着替えたい。
でも、出掛けないって言ったら
ヒナは絶対に離してくれないだろう。
……結局、こうなるんだ。
「わっ、わかったから……出掛けるから……一人で着替えたい」
ヒナに上半身でも裸見られるって意識したら、恥ずかしい。
きっと今の僕の顔は、情けない。
羞恥心で顔は赤いし
さっきのキスで泣きそうだし
男として、最高にかっこわるい。

