「そろそろ帰る?」 郁馬がそう言ったので、うんと頷いて 俺たちは家路を目指した。 今日も早く時間が過ぎていく。 まだまだ足りない。 もっと、お前といたい。 そんなとき、右手が温かいもので包まれた。 え?って郁馬の顔を見上げれば 郁馬は俺を見ていた。 「郁馬…?」 「……っ、あ、わ、悪い…」 「いや、全然いいんだけど」 まさか郁馬から 手を繋いでくるなんて…… ちょっぴり照れながら 俺たちは歩みを進めた。