自分の推理力のなさに
呆れてフツーに映画を見ていたら
ぽてん、と俺の肩に何かが触れた。
少し重みがあるけれど
サラサラした黒髪が首にあたり、くすぐったい。
スースーと寝息が聞こえて
ソイツを見て笑う。
俺はソイツのことを何でも知ってる。
だから、わかっていた。
だって、好きだから。
よしよし、と頭を撫でて髪にキスを落とした。
興味ない映画を誘うなっての。
イタズラに鼻を押さえれば苦しそうにして唸る郁馬。
「…ん。」
あぁ、、、好きだなあー……
そのあと、郁馬がボソッと寝言を言って
俺は仕方ない、って 映画に集中した。
こんな可愛い郁馬。
鈴には見せたくないな。

