二人の気持ちを分かっている。誰よりも。 「…おーい、翔太? もうそろそろ飲みもんとか買いに行くぞ」 「あ、うん」 誰よりも分かってるからこそ 二人をあまり近づけたくないと望んでいる。 たとえ、郁馬が 鈴に失恋しているとしても…… 鈴は郁馬を嫌いじゃないんだ。 だから、いつか……それを考えて俺は決意する。 鈴が、要らないと言った郁馬、俺がもらう。 絶対に返しはしない。 誰にも、譲りもしない。