部活は終わりを迎え、あとは郁馬を待つだけ。
前までは鈴との話が長かったけれど、もう話すこともないだろう。
しかし、郁馬はキャプテンであり、エースでもあるから、残って練習することもしばしば。
それを分かっているからこそ、俺はなにも言わずに郁馬を見ている。
郁馬を見ている間、毎日のように弥生が話しかけてくるから暇じゃないしね。
……とか、思ってると今日に限って弥生は話しかけて来なかった。
すれ違う間際に
「今日は用事?」って尋ねれば首を横に振って
「先輩がうざい」と一言だけ言って出ていった。
その、うざい先輩とやらは、ずっと
「弥生ちゃーん」と
大声で呼んでるし。
てゆーか、先輩って三年だよね?
俺たちが二年だから。

