郁馬が失恋した日から
俺たちは親友から恋人のような関係になった。



付き合おう、なんて言ってない。
付き合ってみる?とは、聞いたけど返事はもらってないし。

好きだ、とも言ってない。
そんなの言えば絶対に郁馬引いちゃうしね。




だけど、変わったことは




「翔太、おはよう」



「お、おはよ…」



家はあまり近い方じゃないので
俺の家と学校の中間地点で
なんとなく待ち合わせをして一緒に学校へ行くようになった。



「よし。じゃあ行くか!
今日は1時間目から体育だし」


そう言って俺の頭を撫でる。
だから俺は「そうだね」って笑って郁馬の隣を歩くんだ。