外に出ると、まだ外は明るくて
もうすぐ夏だなーなんて呑気に考えていると、陽向先輩が近寄ってきた。
「遅かったじゃん。何してたの?」
「しょーたと話」
そう答えると、陽向先輩は僕の腕を掴んで自分の方へ向かせた。
「妬けるなー……弥生ちゃん、それ浮気じゃね?」
そう言った陽向先輩を見上げて睨んだ。
「べつに先輩と付き合ってないもん」
そう、だって…僕は……
考え事してると陽向先輩の顔が近づいてきて、そっと唇が触れた。
「じゃあ付き合ってよ、弥生」
「…やだ。」
「こんなにも好きなのになあー…昔は弥生の方が俺にベッタリだっただろ」
うん。確かにそうだ。
だって僕の憧れだったんだもん。
誰にも譲りたくない人だったもん。

