温かくて柔らかい。

愛情を感じてしまいそうになる。



ゆっくり離れて、にこりといつものように笑ってみせる。




「郁馬」



大好きだよ。今もこれからも。


郁馬の耳元に、顔を寄せて
俺は鈴だよ、と甘く囁く。

すると、再び涙をためて郁馬は
俺を見た。
それで、今度は郁馬自身から俺にキスをした。



―――……鈴の名前を呼びながら。




この関係が終わってしまえば
もう、前のような関係は望めないだろう。

失うのが怖かった。
それでも、今、郁馬の、近くにいられて
すごく幸せだ



だから……



後悔なんてしない。



だって、好きな人と、キスできてるし。
幸せだし。



ねえ。郁馬。

俺、卑怯だけど
こんな形でも、お前と友達以上になれて



すごく、幸せなんだ。