「でも……」


ためらう郁馬の、ネクタイ引っ張って顔を近づける。



好きだ。
お前に会ったときから、ずっと。


ずるしてでも、利用してでも
お前をほしい、だなんて思ってる。


こんな機会、もうこない。
そんな気がする。



だから、許して、郁馬……



「郁馬。俺といるときは……」



郁馬の瞳が揺らぐ。
俺は、これから親友という未来を、捨てる。



「俺と恋人みたいなことするときは……鈴だと思ってくれていいから」




そう言って俺は
郁馬を引き寄せて唇を奪った。