「…そうですよね」
俯いた弥生は小さくそう言った。
弥生と初めて会った時には、すでに陽向と弥生は仲良しだった。
陽向から弥生の紹介をされて、これからは弥生も仲間だって言って…お昼ご飯を食べたり一緒に遊んだりした。
時々、陽向は弥生とふたりきりでいることを好み、俺と他のやつらは空気を読んで離れたりもした。
だから理解してた。陽向は弥生を好んでいるって。
好んでいたけど、どうしようもなかった…のだと俺は思う。
「しょーたとデートだなんて僕は認めないけれど、郁馬としょーたが決めたことなら口出ししない」
弥生はそう言うと俺を見て、ごゆっくり…と去っていってしまった。
その去っていく後ろ姿は堂々としていて……あんなに泣き虫だったはずなのに、
陽向に執着していることは変わらない
それなのに、
俺によく笑いかけてくれたはずの弥生はもういない。

