さてとー、とヒナが伸びをしてキッチンへ行く。
それをベッドに座って眺める僕。
うわぁー、なんか幸せ。
ほんとに同棲したら、こんな感じなのかな。…悪くないよね。
「それにしても意外だったよ。警戒心むき出しで俺の家に入ったかと思ったら、数分で寝ちゃうし」
そんなに俺のベッドが心地よかったの?って馬鹿にしたように言われて、小さく笑う。
最近寝れなかったからねー。
「せっかくの休みなのに、ごめんね」
ヒナの匂いに安心しすぎたなぁ。気をつけよ。
寝過ぎた代わりに僕も立ち上がってキッチンへ向かいヒナの横に立つ。
人参、剥こ。
「いいよー、弥生ちゃんの寝顔見れたし。あとカレー作るから、食べて帰りな?」
こくん、と頷いて、人参を乱切りにして玉ねぎにとりかかる。
その間にヒナはお肉を炒めていた。

