この行き場のない気持ち 一生、届かないというのなら 形あるものだけでも届けたい。 僕だと気づかれれば捨てられるというのなら 名のない花束を渡せばいいじゃないか。 だから……ヒナたちが外で写真撮影して誰もいない教室へ行き、名もない花をヒナの机に置いた。 ヒナのことを好きな女の子なんて、たくさんいる。だからきっと僕だって気づかないだろう。 それでもいい。 これは僕の気持ち。 君は僕の想いに返さなくてもいい。 卒業、おめでとう……ヒナ。 ――――そして、ヒナは中学を卒業した。