泣いて泣いて
でも、だれも助けてくれなくって
胸がギシギシと潰れていく思いだった。
ヒナの卒業までそれは続いて
卒業祝いに花束を用意して軽く笑う。
受け取ってもらえるわけないのに。
ばかだな……
それでも、最後だし。
先輩の志望校、知らないし。
ほんとに、最後。
だから、渡すんだ――――…。
そう思って走り回っていた廊下で剛先輩に会って、会話して花束を渡すか躊躇する。
「もう陽向のことは諦めろ」
諦める?
どうやって?
「顔も見たくない、アイツがそう言ったんだ。…意味、分かるだろ?弥生」
意味なんて、分かりたくもないよ。
剛先輩の言うことがグサグサと心に突き刺さって抜けない。
だれかに救ってもらったのも
憧れを覚えたのも
ドキドキしたのも
人を好きになったのも
ぜんぶぜんぶ初めてなんだから
仕方ないじゃないか……

