それに目を見開いて、郁馬みれば
郁馬が剛さんの腕を掴んでるのが見えた。
「おー、こわ。なに?急に独占欲でも芽生えたのか?」
「急にじゃない」
「ふーん……まぁいいか。翔太くんも目が覚めたみたいだし俺いくね」
そう言って剛さんは立ち上がって
耐えられなくなったら、いつでも来い、と郁馬の牽制無視して頭をぽんぽん撫でた。
この状況で二人きりになるのは、きつい。
だから剛さんと帰りたかったのに、頭がぼーとして体が上手く動かない。
やだやだ。
もう笑ってくれないコイツと一緒にいたくない。
俺の汚い想いで汚したくない。
剛さんが出ていったあと、
俯いて……お前の顔、見れなくて
必死に下唇を噛んで耐えたのに
口に甘いものを、くわえさせられた。
「……むぐっ」
美味しいなあ、これ。
「メロンパン。何も食べてないんだろ?昨日は食べたか?」
「昨日……」
そーいえば昨日
鈴に電話してから、記憶にないや。
気付いたら、ベッドにいたし。
「食ってないわけな。だろうと思った」

