弥生はあの日、言った。 好きな人と結ばれることは「幸せ」だと。 だからね。 郁馬の本当の幸せ、願うのなら アイツの未来に友達として以外の俺は必要ないんだ。 あぁ……剛さんが俺に手を伸ばしてる。 俺も手を伸ばして、郁馬から逃げようとしたのに。 視界が歪んじゃって、前が見えないや。 「……っ、翔太くん!?」 最後に見たのは、剛さんの慌てる表情。 それと、あとから聞こえた郁馬の声。なんて言ったんだろう…… 俺は、剛さんの手を掴む前に目の前が真っ暗になって、意識を失くした。