走って学校に着いた俺は立ち止まり、 額から流れる汗を拭くと、また教室まで走った。 今の時間帯は、 あ、2時間目……あと…… キーンコーンカーンコーン。 あちゃー。今終わったし。 あと50mで教室だったのに。ま、ラッキーかな。 ぱたぱたと手をうちわみたいにして、扇いで 汗が引くのを待ってると 弥生が別のクラスから出てきた。 「おはよーしょーた。遅かったね」 「走ってきたよ、これでも」 登校するのに、こんなに走ったの初めてだし。