とにかく急がないとだ。
すぐ行くから、と弥生に言って電話を切れば、俺はサッと制服を身にまとい、母さんが準備したであろう朝飯食って顔洗って鞄もって家を出た。
急いでいく予定じゃなかったが、郁馬の様子がおかしいなら話はベツだ。
あんまり、悪い方は考えたくない。
期待して裏切られたときの絶望といったら計り知れない。
ちがうちがう。
あり得ない……郁馬がフラレるとか。
そうブンブン頭を振って最悪なシチュエーションを
頭から消す。
…でも、ごめん、郁馬。
もし失恋だったら
俺……嬉しいとか思ってる……
ごめんね。
郁馬が親友だと言ってくれた俺に羞恥心を覚えた。

