「ヒナ、だれこの人」
「……あー、叶笑さんは――――」
ぶぶぶぶ。ぶぶぶぶ。
ヒナの携帯のバイブが鳴って僕らの話は打ち切られた。
いつものヒナなら、会話中なら着信切っちゃうのに
携帯に表示された名前みて
固まってしまった。
それで、作り笑いして
「ちょっとだけ電話してきても、いい?」
って言うものだから……
あまりに、君が知らない人に見えたから……
「うん」としか言えなかった。
「じゃあ待ってて、弥生ちゃん。叶笑さんは帰っていいから。あまり話せなくてすみません」
「ううんっ、いいよー!また来週会えるしね」
そして、ヒナはどこか遠くへ走っていった。

