ヒナはHR が終わったらすぐに迎えに行くと言っていたけれど、受験の話で時間がかかってるのか、僕のほうが先に終わった。
ヒナの教室は階段あがってすぐだから
てくてく歩いて
僕がヒナの教室に向かう。
手すりに手を置いて上がり、ちょうどHR が終わったのだろう3年の先輩たちが一斉に降りてきて、フラつかないように階段の途中で立ち止まる。
勢いよく降りてくる先輩と肩がぶつかって
ふらついて右足を強く地について
電気が走ったみたいに痛みを感じた。
……先輩じゃなかったら、睨み倒すんだけどなぁ。
ちょっと怖そうな先輩だし、
敢えて何も言わず俯く。
あとちょっとなのに。
君の教室は、今の僕にはちょっと遠かった。
人が減ってきて
やっと上れるなあって思って
上ろうとしたら、肩に手を置かれた。
「お待たせ。教室で待っててって言わなかった?」
「だって、ヒナ遅かったし……」
俯いていた僕の顔、除き込んで
へらりと笑って
「……はは、待ちきれなかった訳か。ごめんね、弥生ちゃん?」
「ち、ちがうっ!」
「うん、そっかー。俺も待ちきれなかったよ」
嬉しそうに言うヒナを見て、頬がさらに熱くなった。

