いつもより、早く学校に来て
音楽聴きながら本を読む。
中学の頃は誰とも仲良くならず、ぼーと音楽聴きながら過ごしていたのに、今はそれすら減ってきた。
音楽を聴く暇があったら
アイツと話していたい。
ぼーとする暇がないくらい
アイツのことを、考えてしまう。
俺の中、ぜんぶぜんぶ……アイツに染まる。
初恋は、小学生で鈴と仲良かった女の子。
だから、特別男が好きなわけじゃなかった。
たまたま好きになったのが、郁馬なだけ。
たまたま本気になったのが、郁馬だっただけ。
ただ、それだけじゃん。
ガラッとドアが開いて、視線を感じるなーて見てみれば
もう音楽なんて必要ない。
イヤホンを外して笑って
「おはよう」
と言えば
「……はよ」
素っ気なく聞こえるけど、返してくれて嬉しいなー。
音楽よりも、お前の声のほうが聴いていたい。

