こんな俺を側に置こうとするとか、バカだな、郁馬……
――――……目を開ければ、そこは現実の世界だった。
起き上がって、枕が濡れているの見て
また泣くとか情けないって小さく笑った。
朝の光がカーテンから溢れ出す。
夢の中の光景と重なるけど、そこに郁馬がいないのは当然で。
学校の準備して家をいつもより早く出て、アイツとの待ち合わせ場所も通りすぎた。
待ったってアイツは現れないと、思うから。
とにかく、アイツに会ったら
ただ一言、「ごめんね」って言いたい。
鈴に言ったことは謝らないけれど、郁馬の言葉に傷付いたことに、謝るよ。
友達として、傷つけなくて、ごめんって。
そんで、夢の中のアイツのように笑いたい。
殴って責任感じた郁馬に
なにも、心配しないでって思いを込めて。

