【BL】俺がお前にできること





「翔太は俺の好きなヤツ知ってるよな?」



「知ってるよ」



知りたくもなかったけどね。




「翔太は俺の友達。それ以上でもそれ以下でもない、俺はすーちゃんしか好きじゃない」



フラれたとしてもな、と男前に言うソイツに
きゅんとしてしまう。


すっごく、かっこいいなー……


その言葉、俺にもちょうだいよ。



「俺も郁馬しか好きじゃない」


俺にも、言ってよ。

どうせ、夢なんだから。嘘でもいいから。




「翔太の気持ちには、答えられない」



なんで、夢でも現実的なんだよ。


その言葉、現実で
いっぱい聞くと思うんだ。だから……今だけ……



それすらも、叶わないの?





「それでも、好きだ」



「ははっ、ありがとう」




あ、消えてく。

光の粒と一緒に、郁馬も消えてく。



やだ。やだ。




手を伸ばして足掻いた。



すると奇跡的にも郁馬の手を握れた。




消える間際のアイツの言葉に
また泣きたくなる。



こんな不純な想いをもった俺に、そんなこと……言うなよ。






《俺も翔太のこと、好き。すーちゃんの次にな。だから、ずっと友達で楽しくやってこうな》