夢だしね……
なに言ったって
現実のアイツには届かないしね。
そんな勢いで俺は告白した。
「郁馬」
「ん?」
「好きだ、ずっと前から」
好きって言葉にしただけで
すとんと気持ちが楽になった。
「ははっ、俺だって好きだし」
あぁ……ほんとに、そう言いそうだな。
「違うんだ……そうじゃなくて、郁馬が俺の恋愛対象なんだよ」
「……そ、なんだ」
困ったように笑う郁馬に、俺は苦笑する。
困んないで。
そんな顔させたいわけじゃない。
でも、困るなとか無理な話か……
でも、夢の中の郁馬は軽蔑はしなかった。
例え、夢でも……
俺の想像の世界でも……
それだけで、救われた気がした。

