家に帰って、作り笑い浮かべて
ご飯たべてお風呂入って
宿題あるからって自分の部屋に籠る。
今日は球技大会だったから、宿題なんてないのだけど。
真っ暗な部屋でカーテン開けて
僅かな光を求めたけれど、今日は新月だった。
だから、部屋は暗いまま。
でも電気を付けたくない気分。
「明日、どうしよ……」
郁馬の言葉、思い出して
また一筋の涙が頬を伝った。
好きって……言えたらどんなに楽なのだろうか。
なにも言えず誰かに捕られる惨めさ以上の悲しみって何だろうか。
鈴の代わりだったとしても、幸せだったあの日々は、本当にもう戻らないのかな……
真っ暗な空を見上げて
まるで、自分の心みたいだなって小さく笑った。
俺の心から郁馬をとれば……なにも、残らない。

