夏風を感じながら
お前を見て微笑む。
明日になったら俺、ちゃんと笑えるかな?
ちゃんと笑わなきゃだね。
おめでとう、って言って笑って
それでも傍にいられるんだ、それだけで俺って幸せなんだ。
気持ちを伝えれば
こんな関係すぐに無くなってしまう。
郁馬は俺から離れていく。
俺を軽蔑する。
郁馬を好きな俺、だれも認めてくれない。
そこまで気持ちの整理をしてから
俺は言った。
「郁馬。がんばれよ。お前なら上手くいく」
郁馬はありがとうって言って
それから
俺に嬉しい言葉をくれる。
嬉しくて嬉しくて泣いちまいそう。
残酷すぎて泣いてしまいそう。
俺がお前を好きじゃなかったら
きっと今、この瞬間が幸せだったと思うんだ。
《俺は本当に最高の友達がいて、翔太がいて、よかった》

