小さく尋ねた言葉に、君は笑う。
まるで子供のように。
嬉しいって気持ち、伝わってくる。
あぁ……なんか、昔みたいだ。
こうやって、優しく抱き締めてもらって
髪も撫でてもらって
特別だって心も体も伝えてくれて
幸せ
あの頃の感情が甦る。
「うん、信じて。
俺が弥生ちゃんを幸せにする」
静かに近づく距離に、抵抗せず目を閉じる。
ちゅっと少し触れて離れたヒナ。
目が合って、照れ臭そうに笑う今のヒナ。
《俺がキスした意味、わかるよね?》
あの頃のヒナは、キスをしてからそう言った。
勘違いだって。遊ばれたんだって。
必死にそう思っていたけれど……今なら……
「ひ、ひな……」
「ん?」
君の首に腕を回して
今度は僕からキスを仕掛ける。
「ヒナ……好、き…」
僕がキスした意味、僕の本気
君なら、もう分かってくれるよね?