進んで答えようとしてくれる君に
僕は首を横に振る。
だって、あの賭けは……
「答えなくていい。……僕が負けたからね」
たとえ不正があったとしても、その不正を防げなかった僕にも落ち度はある。
あの時、反射的にでも避けられたのなら、こんな怪我しなかっただろうに。
後輩の心理、読めなかった先輩としての僕は
やっぱり、まだまだ未熟なんだ。
「……―――ない」
「へっ?……っ」
肩をトンと押されれば、力の入らない足のせいで自然に後ろへ倒れ混む。
僕の上にヒナはかぶさって、言葉を紡ぐ。
「良くないんだけど。俺はずっと答えたかったよ」
「……ヒナ」
「本当は、4年前だって……っ」
え? なんの話をしてるの、ヒナ。

