「なにを今更。……でも心配した」
ふっと乾いた笑みを見せたヒナが
シップを貼り終わると、優しく抱き締めてきた。
ふわりと香るヒナの香りに安心感を覚えて目を閉じる。
昔と……変わらない、ヒナの香り。
「ヒナはえーちの応援、してたんでしょ」
「……? …あー、瑛知との会話、聞いてたの?
ほんと可愛いなー、弥生ちゃんは」
実際には瑛知が言ってたんだけどね。
僕が見たのはヒナが瑛知の頭、撫でてたとこだし。
何も言わない僕の顔、のぞきこんで
「妬いたんだろ?」と嬉しそうに言うヒナが憎らしい。
顔を背けたら、自分のほう向かせて
僕の唇を奪うヒナが、いじらしい。
「弥生ちゃん、約束通り答えようか?
弥生ちゃんの知りたかったこと」

