保健室に入ると女の先生が、帰る支度をしていて
「用事だから帰っても大丈夫?」と心配する先生に、ヒナが「俺が手当てするんで平気です」と答えていた。
その答えに
鍵は職員室に返しといてね、と保健室の鍵を手渡され先生がいなくなると僕はベッドに下ろされた。
「はい、弥生ちゃん。靴下脱いで……あぁーあ、変色してるじゃん。明日にでも病院行きなよ」
「……痛くないもん。平……ったあっ!」
「平気なわけないよね?」
僕の言葉、遮るように
思いっきり足首 掴まれて涙が出そうになった。
心配してるなら、僕の足
もっと丁重に扱ってほしいんだけど。
さっきの行動が嘘のように、シップを貼ってくれるヒナは優しくて……ヒナの顔みて、あ……悲しそうな顔した……て思って俯いた。
「……ごめんなさい」
ヒナにそんな顔、させたかったわけじゃなかったんだよ?
それだけ、伝えたかった。

