小さな声で放たれた僕の言葉を
剛先輩は聞き逃さずに、微笑した。
「弥生は、自分の心配だけしな」
……確かにね。
それ聞いて僕も微笑して、ヒナに身を任せた。
ぎゅって、ヒナの首に腕を回したら
腰を支える腕に力が込められる。
「じゃ、俺たちは保健室行くから……邪魔しないでねー」
にこっと笑うヒナに、なんの邪魔だよ、と心の中で突っ込みを入れて、手を繋いで帰るしょーたと剛先輩を見送った。
ヒナが触れてる腰だとか……足だとか……
意識しだすと熱くなるのを感じた。
僕も、重症かもね。
こんなにも心臓がバクバク言ってうるさいのは
「……ははっ、弥生ちゃん顔真っ赤」
「……うるさい」
それを、否定しなかったのは……
中学以来かも、しれない。

