もしかして、剛先輩
しょーた泣かしたとかないよね?
そうだったら、許さないんだけど。
僕のお気に入り、傷付けるだなんて……
「……弥生、そんな睨むなって。
俺が泣かしたんじゃないから」
あはは、と苦笑いする剛先輩に
ひとまず安堵。
そのあとに、しょーたが
「剛さんには逆に助けてもらったんだ」って聞いて、警戒を解く。
「ところで、陽向と弥生はどこ行くんだ?」
「保健室。弥生ちゃん怪我してるから」
そう言って、僕を冷めた目で見てくるヒナを無視して、しょーたを見れば“保健室”という単語に表情を曇らせていた。
……なにがあったのかな、しょーた。
僕がなにがあったの?って聞く前に
剛先輩の手が先に動いた。

