「さっそくっすけど。勝負しませんか、弥生せんぱい?」
「…ん、いーよ」
そんな言葉で始まった1on1。
優位に立つのは、瑛知だった。
速く動けないからって、そんな横スレスレを素早く移動しないでほしいんだけど?
僕が攻めるときに、足踏まないでほしいんだけど?
……もぅ、やだわ、こいつ。
「ほんと、えーちは性格悪いね」
先輩として、厳しく躾なくちゃ。
攻めても攻めても
スピードのない僕にはどうしても不利だ。
だから、ぴゅって、
遠くからシュート打ってやった。
「……スリーポイントとか。打てたんすね。
弥生せんぱいこそ、性格悪いっすよ」
まあね。スリーポイントは奥の手だからね。
僕たちのチームは、みんな攻めが強いから僕が打たなくても勝っちゃうんだもん。

