そんなヒナが大嫌いで
僕の腕を未だに掴んだ右手も、大嫌い。
瑛知の頭 撫でたその右手で僕に触れてほしくなんかない。
「そーいう自信過剰なとこ、大嫌い」
「そーいう素直じゃないとこ、大嫌い」
ビクッと初めてヒナに言われた“大嫌い”に肩が震えた。
けれど、そのあとヒナがくすりと笑って
「そーいう反応は、好き」
と、腰を屈めて固まってる僕の唇に唇を重ねてくるんだ。
「顔、真っ赤。それに涙目？ごめんね、“大嫌い”は嘘だよ」
…べつに、大嫌いだって言われて
傷ついたわけじゃないのに……そう言われて、ムカついて、そのまま睨み付けた。
