目を丸くして俺より背の高い郁馬を見上げる。すると、笑いながら郁馬の手が俺の頭を優しく撫でた。
「だって翔太は俺の親友だろ?自分の一番の理解者っつーか、大事なモノとられたみたいで嫉妬するんだよな」
あぁーそういう意味ね。驚いた。
ありもしない事、考えた。
「…そんなこと言ってたら郁馬が誰かと付き合ったら俺なんか一人だし」
お前に分かるか?
見ているだけしか出来ない、この虚しさを。
「はは、そーだな!
でも俺は翔太いないとダメだから離れないよ。ずっと一緒だっ」
へらりと無垢に笑う郁馬。
そんな郁馬に俺も照れ臭くて笑う。
《ずっと一緒だ》
うん。ずっと、ずっと俺は
お前の側にいたい。
「郁馬……」
好きだ。泣きたくなるほどに。

