んま、足のことなんて
正直どーでもいいんだけどね。
「えーちは陽向先輩が好きなんですよ」
「え、そうなん?
それって弥生のライバルって意味のほう?」
「…僕は好きじゃないですよ、陽向先輩のこと。勝手にあっちがライバル視してくるんです」
そうそう。
僕はもう好きじゃないんだから。
それでも、ヒナには答えてほしい。
あの頃の……昔の僕の気持ちに。
まだ、昔の自分が納得いってないんだ。
どんなに過去を振りほどこうと
いつの間にか、あの頃の自分が出てきて……
いつの間にか、ヒナを追いかける。
だから、僕は
心の中の自分に負けて、この高校に来てしまった。
また、追いかけていたんだ。
あんなに、ウザがられていたくせに。

