ちらりと、さっき僕たちに勝ったクラスを見れば、一人がどこかへ走っていた。
あれ?郁馬どこ行くんだろう……あ、しょーたのとこね。はいはい。
とか、思っていたら
すーちゃんと話し出すから驚いた。
べつに、すーちゃんと話すことが悪いことだなんて思わないけれど。
だけど、僕はしょーたの気持ち、知ってるから何とも言えない…。
さっきまで嬉しそうにしていたのに、しょーたは俯いてしまった。
目の前で好きな人が、違う人と仲良くしてるのは……やだよね。しかも自分に気づかずに。
そんな無神経な郁馬にイラッとする。
その無神経さが、だれかさんと似ていて
余計にムカムカする。
そして、一通り何かを話した郁馬は
今度は僕に近づいてくる。
「弥生」
「ん?なーに?」
「お前、どこ怪我してんの?」
あちゃー、バレてたか。

