途中で保健医に遭遇して
女の子が、怪我しました、とだけ伝えて通りすぎて
まだ、ふらふらする足を必死に動かした。
頭もぼーとするし、心が氷のように冷えきってる感覚だ。
やだ。
一人でいたくない。弥生、いないかな。
なんか……一人で抱えきらないんだけど。
親友も幼なじみも両方いっぺんに失くしてしまうのは、耐えられそうにない。
…いや、まだ謝れば許してもらえるかも。
でもきっと
俺の気持ち告げたら、本当に失うだろうね。
耳からまた、郁馬の声が聴こえる。
《翔太、お前マジ最低だな》
なぁ、郁馬?
お前に全てを理解してなんて、望まないから。
だから、どうか…
どうか、俺の事、嫌いになんないでよ。

