「べつに。郁馬には関係ない話」
「はあ? 例え関係なくても、女の子 泣かしたらダメだろーが! それに、すーちゃんはお前の幼なじみだろ!?」
確かに、幼なじみだよ。
それで、郁馬は俺の親友。
ただ、幼なじみよりもお前をとった、それだけじゃん。
何も言わない俺に痺れを切らしたのか、
ちっと舌打ちした郁馬がまた話し出す。
「謝れ、翔太」
謝れだって?
なんで鈴に謝んなきゃいけないの。
「やだ」
だって、俺……悪くないし。
詳しくは鈴から聞けばいいじゃん。
お前が大好きな鈴、に。
ガンッ―――!
「い、郁くん、やめてっっ!!」
ガンッと音がしたと共に俺の視界は
郁馬から天井になった。
鈴の叫び声が聞こえたけど、今はそんなの、どうでもよくって……

